記事メモ
・はじめに:「可能性」表現を調整するというアイデア 先日あるところで気候変動に関する政府間パネル(IPCC)評価報告書*1の「可能性」スケールについて話題になっていたのを見かけたのだが、すこし気になることがあった*2。 可能性という考え方を、わたした…
「可能性はゼロではない」といった表現が混乱を招く問題、IPCC第5次報告書が非常に良い統一基準を作っていたので、これを参考にすると良いと思った。可能性が1%未満の場合は「ほぼあり得ない」で統一してる。 pic.twitter.com/y8IPfrEFXm— 大貫剛 (@ohnuki_t…
先日Twitterで、カリフォルニア大学出版部[Univeirsity of California Press]のe-Bookコレクション(1982-2004)のうち一部が公開されていることを知った。 カリフォルニア大学出版局がe-text化した学術書(1982-2004)2000点のうち700点を一般公開。DLできな…
19世紀、観測装置を用いた定期的な気象要素の観測という営みはすでに先進的な国の人々のあいだで普及していた。19世紀中ごろまでには、各国で実用的な理由のために組織的な気象観測システムの立ち上げの動きが現れ始めた*1。気象災害の早期警告や気象予報の…
昨年10月に、IPCCへの社会科学者による参与観察に関するガイドライン制定について取り上げた。IPCC総会は、この件に関して科学運営委員会を設立することを決め、2015年2月にIPCC外部の専門家による会合[Expert Meeting]を実施することになっていた。 *"Pote…
1.はじめに: ロスビーとボリン カール=グスタフ・ロスビー(Carl-Gustaf Rossby 1898-1957)はスウェーデン出身の気象学者である。彼はしばしば、20世紀最大の気象学者のひとりと称される。ロスビーの科学への功績はおもに気象力学と海洋学の分野でなされた…
成層圏にはオゾンが高い濃度で分布していることは広く知られており、オゾン層と呼ばれている*1。オゾン層が有害な波長域の紫外線を吸収するので、私たちは地表で生存できている。これはつまり、オゾンが紫外領域の光*2を強く吸収するという事実の帰結なのだ…
先日Natureのwebサイトをブラウズしていて、とある記事(Tollefson 2013;Hulme and Mahony 2013)を見つけた。2013年10月17日付のTollefson 氏の記事は、その週に開かれたIPCCの第37回総会(2013年10月14-18日)にて、社会科学者によるIPCCへの参与観察の申し…
1. SLCPsってなに? Short-Lived Climate Pollutants の略です。日本語では短寿命気候汚染物質と呼ばれているようです。 大気中には大気全体の割合としては微量ながら気候に影響を与えている物質があって、一般には温室効果ガスが有名です。温室効果ガスの代…
Thomas F. Stocker and Gian-Kasper Plattner (2014) Rethink IPCC reports. Nature, VOL 513, 11 SEPTEMBER 2014, 164-165 THE GROWING BURDEN TWO OPTIONS Extend the cycle and reduce parallel efforts Cut across working-group boundaries CAREFUL EVO…
Ruprecht Jaenicke (2009) Christian Junge 2 July 1912 – 18 June 1996. Aerosol Pioneers, International Aerosol Research Assembly. http://www.iara.org/AerosolPioneers.htm 1.Education and Second World War 2.The US Career and the Chemistry of A…
Henning Rodhe, 1991, Bert Bolin and his Scientific Career. Tellus B, vol.43, Issue 4, p.3-7 バート・ボリンは1925年5月15日、スウェーデンのニーショーピングで生まれた。彼の両親はどちらも教師だった。ウプサラ大学の気象学コースで学んだ父に触発さ…